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第一章 期待はずれの転校生
全校朝礼が終わり、みんなが教室に戻った頃を見計らって、学年主任の先生が教室まで案内してくれる。心臓がバクバクし、緊張で頰がピクピク引き攣ってくる。
先生が、ある教室の前で立ち止まった。扉を少し開け、顔だけを覗かせる。
「松元先生ぇー、前に話した子来たで、今日からやっでよろしくなぁ」
かなりフランクに説明すると、そのままピシッと扉を閉めてしまった。
「そいじゃ、きばいやんせぉー」
それから私に軽く手を挙げ、立ち去って行く。
え。えぇっー!!
まさかの置き去り!? どうしたらいいの?
パニクってると、教室の中から騒めきに混じって松元先生と思われる声が聞こえてきた。
「おい、あんたたちゃなんね。だらだらすんな!今日はカナダから来た特別転入生を紹介すっど!」
その途端、教室が一斉に大騒ぎになった。
「カナダ人!?」
「わっぜすげー!!」
ちょ、ちょっと待って……この期待感の中、どうやって教室に入れるっていうの……
「はい、そいじゃ鈴木美和子さん! 入って来なさい」
い、いやいやいやいや……無理。
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