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浜辺のBGMも懐かしい曲ばかりだった…「卓也…帰りはさ、ブライアンアダムスはかけないで貰って良い?」助手席のマイカは真顔で懇願した。まだ20歳でいたい、ピチピチで元気でいたいし、若いロン毛のお兄ちゃんと一緒にいたい!も又SummerOf69が流れたら元のパートのおばさんになってしまいそう。45歳の自分自身が不満なのでは無かったが、つかの間に舞い降りたこの時間を少しでも堪能したかった。卓也は仲間達を家に送って自宅のアパート近くの駐車場に車を止めてキーを抜くとマイカを見つめた。「まだクーラーボックスにビール残ってるからコンビニでつまみ買って帰ろうぜ、明日学校休みだし今日とまれるんだよな?」がっつりした二の腕に不意に抱きしめられたマイカは真っ赤になってかたまってしまった。「何今更恥ずかしがってるんだよ…今日お前へんだぞ…」
「やっぱへんかな?」マイカは化けの皮が剥がれた気がしてあせった。「うん。やたら酒強いし、酒のんだらおばさんくさい事言うし…さっきみたいにやたら照れたりするし…何かあったか?親と喧嘩でもしたのか?」あちゃ…やっぱり45歳の中身がみえてるんだ…マイカはボロが出てるのが当たり前すぎて一人で笑いだしてしまった。「な?何なんだよ、マイ!マジで大丈夫か?」驚いてる卓也に笑いながらマイカは飛びついた。さっきとは逆にマイカがぎゅっと卓也を抱きしめて軽くキスをして耳元で囁いた。「ごめん、ちょっと出かけに親と喧嘩しちゃってさ…何か落ち着かなかったんだ。もう平気。」卓也は安心した笑顔でマイカを見つめた。ハイエースから降りた二人は荷物を一旦卓也のアパートに置いてコンビニに向かった。25年前のコンビニの品揃えが懐かしすぎてマイカは興奮した。まだビールしかない…発泡酒が無い…。お菓子もなんだか見覚えがある…けど忘れて
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