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「魔王さまー!」
俺の名を呼ぶ子供。人の型をしているがこいつも魔物だ。
魔物には、人型とあやかし型とに分けられている。あやかし型のほうが力が強いので、人型はあやかし型に逆らう術はない。
「どうした、ウガル」
俺も人型だが、これは仮の姿だ。そうでないと、魔王をやっていられる訳がないからだ。あまりにあやかし型の力が強いと、あやかし型は自在に変化することができる。まぁ、好き好んで、力の弱い人型に変化するやつは俺以外にいないだろうが。
「た、大変なのです、城下で魔王様反対派が暴動をおこして…」
ウガルの話を聞き、俺は溜息をつく。なぜ、この時期なのかという意味でだ。
反対派が暴動を起こすのは致し方ない。なぜなら、ここ何十年、何百年、天界にも下界にも戦争を起こしにいってないからだ。元々の俺は、争いが大好きで、よく喧嘩を売りにいっていた。勘違いしないで欲しいのは俺の目的は征服ではない。ただの暇つぶしだ。
しかし最近ではそれすら行ってないので、魔物と呼ばれる魔界の住人が痺れを切らしているのだ。
「早く征服しにいけー!」
「そうでなければ魔王を引退しろーー!」
今じゃあやかし型の魔物から命を狙われる立場にある。
「どういたしましょうか」
「そんなに引退して欲しいのならそろそろそうしようか」
心配そうにこちらを見てくるウガル。
「僕は、、、魔王様に魔王をやめて欲しくないです」
あやかし型と違い、争いを好まない人型は、人型を侮蔑しない今の俺を応援してくれている。
「そんな顔をするな、ウガル。当分魔王をやめるつもりはない」
その瞬間、パァーとウガルの顔が明るくなる。
「はい!!」
「したかない。いくか」
「お伴します!」
残り数時間しかないので、急がなければならない。
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