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「ねぇ」
「そうだラファイだ!俺の名前。久しぶりに出したものだから忘れていた」
「呼ばれていないの?」
「今じゃ魔王が名前だな」
「…なら私が呼んであげるわ、ラファイ。
私は美尾野神よ」
「長いから美尾でいいな」
「まぁ、好きにして」
それからは度々下界に降り、そのたびに美尾が駆けつけてきた。
ただここ何年かは美尾の力が弱っているため、自分を保つのが難しいらしく、最も力が強くなる8月15日に毎年会おうと約束していた。
明日がその約束の日。まぁ、あと数時間したら下界では8月15日になってしまうからその前までに、片付けをしなくてはならない。
美尾が姿を現わさないと分かっているので、下界に降りるのも1年ぶりだ。
昨年合ったときは、5歳児くらいの見た目だった。
そんな美尾を抱っこしたり、おんぶしたりで嫌がっている姿は最高にかわいかったなーと思いだし笑いをしていたところをウガルに見られてしまった。
「なんでもない」
「は、はい」
納得いかない顔をしていたが、それ以上なにも言ってこなかった。
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