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「ええ?誕生日会?俺はパス」と春樹はシュートゲームに夢中だ。
「何だよ!じゃあ康夫は?」
「僕もやめとくよ。余り片岡さんの事、知らないし」と乗り気でない。
「何だよ2人とも。クラスメートじゃないか」僕は2人の返事にがっかりした。
「翔太さ、余りあの子と関わらない方がいいよ。変な噂も聞いたし」と康夫が意味深に言った。
「何だよそれ?」僕は康夫を睨んだ。
「片岡さんと同じ中学の本田に聞いたんだけど、彼女、中学を何ヶ月も病気で休んでいたらしいよ。でも、それは言い訳で、本当はイジメで自殺しかけたらしいって」僕は、そこまで言った康夫の襟首を掴んで「そんな噂、信じるのかよ!」と激怒した。
「おい、起こるなよ!本田が言ったんだって」と康夫が慌てた。
「お前がいいんなら、俺たち何も言わないけどさ」と春樹が言って「今日は帰るわ」と2人して、ゲーセンを出て行った。
僕は家に帰り、また部屋に閉じこもった。
何だよ、そんな噂くらい…
彼女が何をしたっていうんだよ…
僕は何故か落ち込んでいた。
「どうしたの?お兄ちゃん。なんか浮かれたり、落ち込んだりして」と良美がそっと声をかけて来た。
「あのさあ、僕のクラスの女の子の事なんだけどさあ」そう言って、玲蘭の噂話を聞かせた。
勿論、名前は伏せた。
「でも女の子は、訳も聞かずに接してくれるのが嬉しいものよ。その噂が、嘘でも真実でもね」
良美はそう言ってくれた。
「そうだな。ありがとう」
「頑張りなよ。お兄ちゃん」良美は笑って、部屋を出て行った。
そうだよ。僕だけでも信じてあげなくちゃ!
あれ?それより片岡さんの家って何処だっけ?
肝心な事を聞くのを忘れた。
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