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第7章 クルージングの罠
その日は、とても快晴だった。
夏休みも8月に入り、暑さは益々全開であった。
僕は玲蘭のお父さんの運転で、マリーナに到着した。
「うわあ、すっげー!」目を見張る様な大きさだ。
すると「よっ!彼氏」と見覚えのある人が声を掛けてきた。
「あれ?山本さん!それに美子さんも」
2人はバーベキューでお世話になった、お父さんの会社の社員だ。
「彼氏はやめて下さいよ。翔太でいいですから」と少し照れた。
「私らも丁度休暇だったんで、社長に便乗させて頂いたの」と美子が笑った。
玲蘭の家族3人と、お手伝いの清子さん。そして僕を含めて7名が全員集合となった。
船上は、まだまだ人が乗れるくらい広かった。
「池上君もよく来てくれたね。楽しい旅になるよ」と武史も嬉しそうだ。
早速、出発だ!
初日は船上バーベキューに釣りと、和やかな1日を過ごした。
夕日を見ながら、食べる料理も格別だった。
清子さんの料理は、絶品なのだ。
そして、そろそろ就寝時間となった。
僕の部屋割りは、玲蘭の隣である。
「こっそり襲うんじゃないぞ」山本さんがニヤニヤしていた。
「勘弁して下さいよ。それより山本さんは、美子さんとどうなんですか?」僕も突っ込んで聞いてみた。
「馬鹿言うなよ、只の先輩さ。そんなこと言ったら、それこそ殺されちゃうよ」と笑っていた。
「誰に殺されるのよ」と後ろから声がして、2人で
「わあっ!」と飛び上がった。
美子さんは、プーッと吹き出していた。
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