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気がつくと、砂浜の上に寝かされていた。
「もう翔太ったら!」お母さんが、僕の胸の上で泣いていた。
横では、妹も半泣きになっていた。
「良かったですよ、お母さん。もう少し発見が遅れていたらどうなっていたか」と海上警備員は、ほっと胸を撫で下ろしている。
「あれ?お母さん。助けてくれたお姉さんは?」
そう僕が聞くなり「何を言ってるの?あなたは警備のお兄さんに助けられたのよ。運良く小さな磯に引っかかっていたんですって」とお母さんは、奇跡を見たかのように話した。
あれは夢だったのか?
でも、あの腕の感触は今でも覚えている。
それにお姉さんは、確かに言ったんだ。
私の名はセイレーン。
あなたを絶対に死なせない、…と。
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