第2章 気になる彼女

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すると、1人の女生徒がスカートをまくって、池の中に入って行くではないか。 かなり浅かった様で、ひょいと仔犬を抱き上げて戻って来た。 「だ、大丈夫?」僕は彼女に駆け寄った、 え?よく見ると、あのおかっぱの女の子だ。 「勇気があるんだね。僕には真似出来ないよ」 すると彼女は「ここは浅いの知っていたから」と平然な顔をして言った。 そうなんだ。 でも、水恐怖症の僕には、とてもじゃないが真似出来ないだろう。 「それに、犬が好きだから」 「あの、君は…」と、僕が言いかけると 「片岡 玲蘭」と名前を教えてくれた。 「かたおか れいら…。えーと、僕は…」 「池上 翔太。君でしょ?」 「え?僕の事知ってるの?」僕は少し、驚いた。 「だって同じクラスだもん」と玲蘭が笑った。 「あっ、眼鏡濡れているよ」僕は恥ずかしさ紛れに、慌ててハンカチを手渡した。 「ありがとう。でも、足の方が大変だけどね」と玲蘭は笑いながら、すっと眼鏡を外した。 その時、僕はドキリとした。 眼鏡を外した彼女は、何とも綺麗な顔立ちであった。 玲蘭は、はっとして「コンタクト苦手なの。この方が楽だし」と慌てて掛け直した。 眼鏡を外した方が素敵だよ。とは恥ずかしくてとても言えないので、心にしまっておいた。 それ以来、僕と玲蘭はたまに話をする様になった。 話して見ると、優しい子なんだと実感した。
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