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「翔太。お前よくあいつと話せるな」と春樹が言ってきた。
「そうだよ。皆んながあの子を避けてるんだぜ」と康夫も同じ意見のようだ。
「何だよお前ら。彼女は思ったよりもいい子だよ」
僕は本心を言った。
「お前、まさか?」と2人でにやにやしている。
「ば、馬鹿!違うって!そんなんじゃないよ」僕は顔を赤くして、すたすたと廊下に出て行った。
「おい翔太!何処行くんだ?授業始まるぞ!」
2人は、そう叫んでいた。
そんな時、ある事件が起こった。
放課後、教室の掃除をしていると、裏庭でわーわーと声がした。
窓から覗くと数人の男女の生徒が、1人の女生徒を囲んでいた。
「あれは?片岡さんじゃないか」僕は、思わず教室を飛び出していた。
「おいお前、陰気臭くて鬱陶しいんだよ」1人の男子生徒が言った。
「何でいつも本ばかり読んでるの?友達いないんだ」と女生徒も笑っている。
「おい!何とか言えよ!」ともう1人の男子が、花壇から出ているホースを持ち出し、蛇口をひねった。
すると、ズバッ!とホースから勢いよく、水が飛び出した。
「あっ!」
玲蘭はたちまち水浸しになった。
周りはげらげら笑っている。
「おい、早く脱いじゃえよ。風邪引くぜ」と男子はまだ笑っている。
その時、僕は息を切らしながら、彼女の前に飛び出していた。
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