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「何って……」
僕は、ためらった。
彼女のことを言えば、千影はからかってきそうだから。
言ったら想像がつく。
「女の子のこと考えてたんだ~」と言いながら、きっとにやにやするんだろう。
「何淀んでんの。友人第一号に言えないこと?」
「そういうわけじゃないけど……」
「ほら、吐き出してみ。楽になるからさ」
彼女の押しに負け、しぶしぶ口を開く。
「……実は――」
からかわれるのが嫌な僕は、この悩みを友人が悩んでいる設定にして話す。
「なるほど。啓太の友達の友達が雨の日は会えないのに、会ってもいいと」
「うん。千影はどう思う?」
「そうだねぇ~……」
ストローを噛みながら、彼女は黙る。
少しドキドキしながら待っていると、千影は口からストローを離した。
「いい? これはあたしの意見ね。参考程度にするんだよ」
「うん」
「その友達はきっと……」
「きっと……?」
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