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「あのさ! 君が良ければなんだけど……明日も会ってくれない、かな……」
気付けば口走っていた。
会って数分の人に何言っているんだろうと心の中でつっこむ。
出てしまった言葉は取り返せない。
僕はあきらめて彼女の答えを待つ。
「明日、晴れ……?」
「え? あぁ、ちょっと待ってて」
スマホで明日の天気を確認する。
明日も晴れだった。
「晴れだよ」
「わかった。明日、会お」
彼女は少し歯を見せながら笑う。
雨だったら断られていたのかもしれないと思うと、ちょっと怖い。
「時間は……お昼で大丈夫?」
「うん」
「待ち合わせは……ここにしようか」
「うん」
「じゃあ、また明日ね」
「うん、また明日。バイバイ」
彼女は小さく手を振りながら、僕を見送ってくれた。
帰りの道中、頭は彼女のことでいっぱいだった。
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