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雨避ける君
翌日。
待ち合わせ場所に向かっていると
「わっ!」
「わあああ!」
耳元で誰かに驚かされる。
振り向くと彼女がいた。
「なんだ、君か……」
「驚いた?」
「すごく驚いた」
「えへへ、やった」
彼女は頬をほんのり赤く染めながら、くしゃっと顔を崩す。
愛らしい笑みに、僕の口角も上がる。
「今日はどうする? 実は何も考えていないんだ……」
いや、本当はすごく考えた。
近くのカフェでご飯食べようとか、公園内で物産販売やっているから見に行こうとか。
でも最終的には、彼女と話し合って決めるという結論に至った。
彼女がここを訪れた回数によっては、僕が考えた場所に行っているかもしれないからだ。
「お腹空いた。何か食べたい」
「わかった。何食べる?」
「あれ!」
彼女が指さす先には、白と緑のストライプ柄のテント。
側には赤い旗が立っている。
文字は……僕の視力では読み取れなかった。
「いこ!」
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