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レイの返事に、一花はぱぁと明るい笑みを見せ、「わぁ、凄い。夢みたい……」と呟いた。
「君が嬉しそうで何よりだ」
レイはそう言って、笑顔の彼女の頬にキスをした。
それから二人は唇を重ねた。
以前はキスだけでショックを受けていた一花だが、変異が進むにつれ耐性も上がり、今では人間同士のカップルのように普通にキスをすることが出来るようになった。
キスをして見つめ合い、一花はエヘヘと照れ笑いした。
以前の彼女なら絶対に見せることのなかった、心からの幸せな笑みだった。
再びスマホの画面に目をやって、一花は「あっ、この神社ね、同じサークルの子がお参りして、好きな人と付き合えるようになったんだって! 縁結びで有名なんだよ」と、近所にある有名な神社の写真をレイにも見せた。
「あー、明日はここにも行きたいなぁ。ねえいい?」
「それは構わないが、今さら僕達に縁結びの神が必要か?」
「必要だよぉ」
一花はスマホを両手に持って、真顔で訴えた。
「こういう神社では、両思いのカップルは、これからも仲良くいられますようにってお祈りするんだよ」
「ふーん……。だがその神社に祀られている神よりも、僕の方が長く地球にいるんだが」
レイの言葉に一花はプッと噴き出し、「でもレイには縁結びの力はないでしょ」と反論した。
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