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「あら、それって私たちの学校のレベルが低いっていうこと!?」
「そうじゃないよ」
達也は、はにかみながら近づいてきた千佳の頭を軽く叩いた。
「痛っ!!」
千佳は大げさに飛びのき
「ふふふ………。たっちゃんは本当に冗談が通用しないんだから」
「悪い冗談だよ」
達也は強い口調で言った。「たっちゃんもしかして怒ったの!?」
千佳が心配そうに達也の顔を覗くと、
「ははは、怒ってなんかいないよ。けっこう千佳も冗談通じないじゃないか」
「もう、たっちゃんの意地悪」
千佳は、達也の肩を小突いて
「でもたっちゃんはあんなに陸上でも活躍しているのだから、どこかの学校に誘われるんじゃないの!?」
「それは分からないけど………。でも、楽はしたくないんだ」
「楽ってことはないと思うは、誘われるって事は他の人より頑張ってきた証拠だし今からも頑張るってことでしょ?」
千佳の言う通り達也は、は県内の陸上大会において、中学生の短距離部門で好成績を残していた。
達也は、少し間を置いて、意を決したように
「もう、陸上は辞めようと思ってるんだ!」
千佳は驚いて
「えっ。たっちゃんあんなに頑張ってたのに急にどうしたの?」
千佳は怪訝そうに聞いた
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