5.残念な肝試し

2/8
前へ
/16ページ
次へ
「さっきからそればかりだな!きみは!どうしたら分かってもらえるんだろう…」 いぞうが何やらいらついている様子だ。山本はどうしようか迷っていたが、 「池手名さん…どうしたんですか?」 と小声で声をかけてみた。その声に気付いたいぞうは山本達の方を振りかえった。 「ああ、きみたちか。ちょうどよかった。きみたちからも彼女に説明してくれないか、もう、らちが明かなくてね」 そう言うと、いぞうはその『彼女』が見えるように横へ動いた。そして、山本達の目に『彼女』が飛び込んできた。 「うわーーー!!」 「ぎゃーーー!!」 「いーーーーやーーーーーあーーーーーー!!!!」 そこには手術台に腰をかけた女性が座っていた。 着ている白い服の大半は血にまみれ、その顔には生気がなく、真っ青であった。そして頭の半分は脳がむき出しになっており、目からは血の涙を流していた。つまり、『この世のものではない』と理解するのに十分な風貌であった。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加