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「さっきからそればかりだな!きみは!どうしたら分かってもらえるんだろう…」
いぞうが何やらいらついている様子だ。山本はどうしようか迷っていたが、
「池手名さん…どうしたんですか?」
と小声で声をかけてみた。その声に気付いたいぞうは山本達の方を振りかえった。
「ああ、きみたちか。ちょうどよかった。きみたちからも彼女に説明してくれないか、もう、らちが明かなくてね」
そう言うと、いぞうはその『彼女』が見えるように横へ動いた。そして、山本達の目に『彼女』が飛び込んできた。
「うわーーー!!」
「ぎゃーーー!!」
「いーーーーやーーーーーあーーーーーー!!!!」
そこには手術台に腰をかけた女性が座っていた。
着ている白い服の大半は血にまみれ、その顔には生気がなく、真っ青であった。そして頭の半分は脳がむき出しになっており、目からは血の涙を流していた。つまり、『この世のものではない』と理解するのに十分な風貌であった。
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