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「おい!大丈夫か!」
山本が2人のことろへ到着する。場所は手術室だった。ゆりこが地べたに座り込んでおり、みさきはゆりこを抱え込んでいた。そして、二人の横には人のようなものが倒れている。山本は恐る恐るその人型のものに近づいた…
「あ、これ、人体模型だよ。髪があるけど、これかつらだ。誰かがイタズラでかぶせたのかもしれない」
山本が人体模型からかつらを取って、2人に見せる。
「あ、ほんとだ。わたしがここに来たとき、ゆりこにその人が覆いかぶさってたから、ゆりこが危ない!って思って咄嗟に突き飛ばしちゃった。でも、よく見ると人体模型ですね。よかった。ゆりこ、大丈夫だよ」
しかし、恐怖のあまりゆりこは震えていた。
「その人形、倒れてきたんです。倒れてくる前に、人魂のようなものがここに入ってきて…ほんとです。風とか何もないのに、人魂が入ってきた瞬間、こっちに倒れてきたの。ここ、何かいますよ絶対に!わたし怖い…」
ゆりこの震えは止まらない。
「ゆりこ…山本さん、ゆりこダメかも」
確かにみさきの言うとおり、ゆりこはこのまま肝試しを続けられる状態には見えなかった。
「確かに竹野さん、無理みたいだね。よし、引き返そう。残念だが仕方ない。それにこの手術室は、『出る』と噂の場所なんだ」
「わたしもチラッと聞いたことあるんです。ここ、手術の失敗で死んだ人がいて、その人が出るって…」
「工藤さんよく知ってるね。実は、その話本当みたいなんだよ。だからここには最後みんなで来たかったんだけど、まさか竹野さんが1人で入るとは…」
「すみません…この病院に入った瞬間に疲れちゃって、ドアが空いてて中を見たら広い部屋だったから、座れるかなと思って…」
「いや、いいんだよ。責めてる訳じゃない。それに、竹野さんはそんなに乗り気じゃなかったもんね。こちらこそ無理に誘ってごめんね。さあ、帰ろう」
山本がゆりこを立たせた。
「山本さん、ありがとうございます。あれ?池手名さんは…」
「受け付けしてる」
「うけつけ?」
「いや、気にしなくていいよ。入口付近にいるはずだから帰ろう」
3人が入口へ向かって廊下を歩き出したそうとしたとき、向こう側からいぞうがやってきた。
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