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「いや、ドローンだ。だって、目の前をゆらゆら浮いてたんだよ?確かに、普段見るドローンの形ではなくて小さなボールが光ってる感じだったけど、今の技術力だ。羽なんかなくたって浮かせられるんだろう。だから、早くあのドローンを見つけて僕たちが不審者でないということを伝えないと、あれを飛ばしている人に不審者扱いされてしまうだろ?それを説明しようと近づいたら、またそっちの方に飛んで行ったからおっかけてきたというわけさ」
「また…とんで…きた…いやー!!」
ゆりこがその場にくずれ落ちた。
「竹野さん、大丈夫だ。すぐに戻ろう。池手名さん、戻りましょう」
「山本さん、わたしも手伝います。ゆりこ、大丈夫だからね」
みさきが山本の反対側に回り、2人でゆりこを抱え上げる。
「池手名さん、早く行きましょう」
山本に言われたが、いぞうに動く気配はない。
「先に戻っておいてくれ。僕はドローンにあやしいものではないと伝えてくる。不法侵入でつかまりたくはないからね。ドローンのやつ、ここにいないということは、その部屋にでも入ったのか」
いぞうが手術室を指差す。
「もう!池手名さん!」
みさきがイライラして感じでいうが、いぞうは動かない。
「工藤さん、ああなると来ないよ。先に僕たちだけで戻ろう。池手名さん!病院の外で待ってますから、早く戻ってきてくださいね」
「ああ、待っててくれ、すぐに戻るよ」
そう言い残し、いぞうが手術室に入っていった…
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