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「追いかけてきたのに、なんで玄武は貴方のものなの?」
「ちょっと意味が違うんだ。元々四神はこの辺りに向かっていた。少しずつだが。そこで見つけたのが玄武。しばらく跡つけてたんだが、余りにも遅いんで、術で縛ってここまで来た時に、白いのと狐の小さいのが来たもんで、全部縛ってしまっただけで……申し訳ない」
「申し訳ないって……あの黒いモヤみたいなの何?」
「あれは玄武から出たものだ。俺にもどうすることも出来なかったからきつく縛っていて。封印する力はないから操れればなんとかなると思ったら何ともならなくなって……でも、白いのが式ってのがわかった時に、君が来るんじゃないかとは思った」
免許証を覗いてた四人が、じーっと男の顔を見て、本人に間違いはなさそうだと「土居 正之進」と冬弥が言った瞬間、縛られてるのに土下座をするかのように、名前で呼ばないでくれと懇願している。
「古い名前だな……江戸時代の商家の坊ちゃんみたいな名前しやがって」
「那智さん、そこ?そこなの?」
「気になるじゃないか」
「俺も気になった……」
「私もですけど」
「俺も!」
「みんな、そこじゃないからね?なんで覗いてたのかとか、僕に用があるのか、その玄武どうするのか、十二天将ってなんなのか聞くこといっぱいあるんだよ?古臭い名前でも我慢してあげようよ」
「雪翔、お前が一番ひどい言い方してたぞ?」
那智と夏樹に言われ口元を抑えるが、言ってしまったものはもう遅い。
「確かに古臭いですけど、この様な名前の方って何かあるんですよねぇ」
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