陰陽師の守り神

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何も見えないから対処の仕様がないと一旦家に戻り、四社はそれぞれの社を注意して守ることと、近くの神社の狐にも最近あやかしが多いからということにして注意をしておくということに決まり、この日は解散になったのだが、那智の家に夏樹が行くのかと思ったら、「雪翔の部屋でいい」と言い出したので、和室に祖父母、航平の部屋に三郎と四郎、リビングに重次と周太郎、自分の部屋に夏樹と航平が泊まることになり、前回布団を用意していてよかったと祖母と栞、冬弥達が下宿の物入れとして使っている一室から大量に布団を運んできた。 「うちって大家族みたい……」 「ちょっとした大家族じゃない?」 「そうなんだけど……向こうのお爺ちゃんの家みたいにたくさん部屋があるわけじゃないし、みんな窮屈じゃないのかな?」 「この家の和室やリビングも普通の家に比べたらかなり広いと思うよ?雪翔の部屋だって下宿の部屋の倍はあるし」 「初めて見た時は広いなーって思ってたけど、金や銀たちが布団敷いて寝るとしーちゃんや翡翠に檪まで出てくるから、最近はそう思わなくなっちゃった。慣れって怖いね」 自分の部屋に夏樹と航平が布団を敷くのを手伝いながら、「夏希さん、布団敷けるんだ」とぼそっと言うと、「何でもかんでも使用人にやらせてはいないよ?出来ないと困ることの方が多いからって一通り教えられてきてるし」 「あの、ジイジとバアバに?」 「意外だろ?」 ウンウンと航平と頷き、今日のことなどすっかりと忘れて、夏樹が話してくれる那智の子供時代のことや、冬弥の失敗事などを聞きながら、その日は布団に入ることにした。 たまにはいいな、みんなで寝るのも。
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