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「雪翔よ。まだ冬弥は帰ってないが、なぜ言わなかった?」
「だって、気のせいかとも思ってたし、夏樹さんには全部話したから聞いてるでしょ?」
「聞いたが、今はどうじゃ?痛むか?」
「平気だよ。ね、それより小雪に会いに行ってもいい?」
「話が終わってからじゃ!」
「もう話したもん」
「叔父上、今のところは何も無いようですし、痛みや熱など、変わったことがあれば必ず雪翔に報告させるという事でいいでは無いですか?雪翔も叔父上に負けず頑固ですから」
夏樹はそう笑っているが、心配しだした祖父の話が長いことは知っているので助けてくれたのだろう。
「仕方ないのぅ。ならば隠し事は無しじゃ。良いな?」
「うん!夏樹さんも一緒に行ってもいい?」
「構わんよ。あ、たまーに耳と尾が出るが、びっくりした時や興奮してる時だけじゃから。ただ、あまり尾には触れないでやってくれるかのぅ」
「うん。分かった!お爺ちゃんも行く? 」
「儂は冬弥と交代で城に行かねばならんから今から準備じゃ」
「夜は帰ってくる?」
「勿論じゃとも。南の魚料理が今夜の夕餉に出るじゃろうから楽しみじゃの。ほら、遊んできてあげなさい」
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