浮遊城の水盆

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なんだったかなぁ?と言いながら、しばらく貸してくれと言うのでそのまま持っていてもらい、部屋を出ていった夏樹の後を四郎が追っていったので、何か分かれば教えてくれるだろう。 「兄貴からまともな意見が出るとは思わなかった」 「それ、失礼じゃない?夏樹さんのが絶対に賢いと思うけど」 「航平、それは偏見だぞ?俺も学業では一番だったんだからな?」 「那智さん、いつの話?」 「ちょっと前だぞ?とは言っても50年くらい前だがな。あまりにも暇だったから、人間のふりして受験てやつをしてきたんだ。一位通過だったが、ほら、日本で一番賢いとか言われてる大学」 「東大?」 「そうそう」 「すげぇ……」 「通わなかったの?」 「術で受けれるようにしたから、二番のやつが元々は一番だろ?その辺はちゃんとしてきたが、今とはまた全然違うからなぁ。冬弥なんて、剣道に柔道だろ?あ、乗馬とか大会一位とる度に自慢してきてたな。他の奴らも何かしらやってるが、この国でも学業では俺と冬弥は学年が違うから一位しか取ったことないし、兄貴と京弥さんは同じ歳だからいつも一番と二番を交代ごうたいって感じで……ってなんだよ」 「那智さん、勉強教えて!」 「航平に頼め……昔の話だから今のやつは分からん」 「えー!」
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