浮遊城の水盆

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家柄のこともあってその辺は厳しかったと言ってはいるが、よく考えると人間の世界でずっと会社を成功させているのだから頭はすごく回るのだろう。 「ねぇ、冬弥さんは?」 「寝てばかりだったのに成績がいいんだよな。要領がいいと言うか。下宿屋をする時に料理教室に通ってたのは未だに笑い話だ」 「料理教室?」 素っ頓狂な声で聞いてきたのは祖父。 祖母は知っていたのかニコニコと笑っている。 「確かに学業も護身術も習わせておったし、みんなそれぞれ成績も良かったが……それは聞いておらんぞ?」 「まぁまぁ、下宿といえばご飯でしょう?私には通いますとか言ってきたけれど、伝え忘れてたかしら?ほほほ」 「だから料理が上手なんだ」 「長くやってるのもあると思うけどねぇ。冬弥はひとつ決めたらとことんやる方だから。それに誰に似たのか頑固ですしねぇ?」 「儂か……」
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