浮遊城の水盆

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ガックリと肩を落としながら、「侑弥も早く習い事をさせねばのぅ」と言いながら、栞と一緒に侑弥と遊んでいる姿は、普通のお爺ちゃん。 たまに、突拍子のない行動をとるが、基本みんな穏やかな性格の家族だと思っていたのだが、その子供たちは暇だからとやっていることがスゴすぎる。 「航平ちゃん、僕、四月から三年でしょ?今から緊張してきた……大学入れるかなぁ」 「雪翔は慌てなければ大丈夫だよ。もっと自信を持たないと」 「だって、テストの度に倒れそうに緊張するんだもん。みんな頭いいんだから持ち回りで教えてくれないかな」 「んー、那智さんでも、今の数学とかはどうなんだろう?昔とは違うって言ってたし、歴史なんて年号変わったのもあるし」 「あ、そっか。だったら、隆弘さんと賢司さんと堀内さんに頼むしかないかぁ」 「海都のこと忘れてない?あいつも大学生になるんだよ?」 「バイトばっかり行きそうなんだもん。そんなようなこと言ってたし、テスト前に慌てそうでしょ?」 「毎日コツコツとやれば良いだけなんだけどな」 「僕、もっと頑張らないと!」 「いやいや、雪翔はもっと遊べ」 「那智さん、ほんとに無理?」 「あー、数学位なら分かるが。仕事柄毎日のように見てるからな。教えるのは無理だ!前に航平の昔の教科書みた時に、答えはあってるが解き方が違うとか言われたからダメだろう?」 「公式覚えて……」 「航平に教えて貰え。三郎、周太郎と庭に石と網を置いてきてくれ。今夜は多分庭で食事だろうから」 「畏まりました」
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