浮遊城の水盆

15/58
前へ
/323ページ
次へ
「雪翔、遊んでるならこれも航平に持って行ってくれ。団子だ。狐達が喜ぶ」 「うん、わかった」 お皿を受け取り、一本ずつ配ってから自分のお皿の上にも置き、おにぎりが焼けるまで夏樹の所に行く。 「夏樹さん」 「おお、ちゃんと食べてるか?」 「うん。那智さんが焼き係になると、航平ちゃんが大変なことになるなーって思って、お爺ちゃん達の狐達も出してもらったの」 「あー、那智はああいったの好きだからな。バーベキューだっけ?いつも島でやってたし」 「手際いいのに、海鮮類しか料理できないなんてなんだか不思議」 「だろ?ま、南は海鮮が多いから仕方ないけど、航平は肉もちゃんと食ってるのか?」 「食べてるよ?下宿では色んなものでるから」 「那智に任せておくと魚ばかりになりそうでな」 「わかる気がする……。夏樹さんは料理しないの?」 「するぞ?狩りに行ったりした時は鳥も猪も捌くし、猪鍋はちょっとこだわりがあるんだ」 「なんだか意外。文官て、狩りとか苦手なイメージがあるから」 「普通はな?俺は京弥と一緒に、父上と叔父上に散々連れ回されたから叩き込まれたよ。魚や貝は島の爺様にみんな教わったんだ。那智もやれば出来るんだが、獣は昔から嫌がってたな」 「んー、僕も嫌かな?」
/323ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2511人が本棚に入れています
本棚に追加