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「今から解読するの?文章になるまでかなり時間かかると思うんだけど」
「そうなのか?雪翔ならこう、パパッとやってしまいそうじゃがのぅ」
「お爺ちゃん、僕にそんな器用さがあったら、もっと勉強できてると思うよ?」
「出来ておるではないか」
「雪翔、一行くらい照らし合わせてみたらどうだ?」
「那智さんも手伝ってくれるんだよね?」
「げっ!」
「ね?」
「あー、わかったわかった!余りあてにすんなよ?」
最初の一文は同じ辞書で済んだので、夏樹と四郎と那智と自分の四人で、上から一文字ずつ担当して表とにらめっこしながら読むと、章のタイトルらしく『陰陽について』となっていた。
「これ、ひらがなで書き出してるけど、返って読むの大変かも」
「でも、漢字には後で変えればいいだろう?分かるものだけカッコか何かつけて書いておけばいいんじゃないか?」
「流石夏樹さん。そうする」
「なぁ、一人一文字ずつやってたらキリがないぞ?今までもこんなことしてたのか?」
「違うよ?四郎さんと二人の時は、ページの右が僕で左が四郎さんて感じでやってた」
「なら、交代でするか。那智、俺とやれ」
「なんで兄貴なんだよ」
「雪翔と四郎のが慣れてるだろう?それに、四郎のが詳しいから、俺達は書き写しておいたこの辺のめちゃくちゃ文字の解読を済ませよう」
「はぁ……航平、水盆の後に手伝ってくれよ?外国語ならお前の方が得意だろ?」
「いいけど、昔の文字なんてわからないから。それに、そこだけ英文とかにならないと思うんだけどなぁ」
「じゃあ、これも「あいうえお表」みたいになるのか?」
「多分。それか、何かの物の名前とか?」
「那智、賢い子を貰って良かったな」
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