浮遊城の水盆

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黙々と作業を進めていると、みんな各々自分のすべきことをやり出し、途中で祖母が航平の分もとジュースを持ってきてくれ、みんなにはお茶を配っていた。 「あ、ちょっと読めるところあるよ?」 「どこじゃ?」 食いついてきたのは祖父。 さっき物騒なことを言っていたので、早く続きが読みたいのだろう。 冬弥も覗き込み、侑弥のことを聞くと、「やっと寝てくれました。後は親キツネが見てくれるでしょう」と言うのでノートを見せる。 「まだ、雑に書いただけだけど、やっぱり日記みたい」 「そのようですねぇ。しかも、平安時代ですか……」 「平安?なんじゃそれは」 「後で説明します」 パラパラとノートをめくっていく冬弥が、何かを思いついたように周太郎を連れて行き、しばらくして戻ってきてから、ひとつの巻物を見せてくれる。 「冬夜様、これは何処に……」 「空いてる机に置いてください」 力持ちの周太郎が両腕いっぱいに抱えてきた本はどれも分厚く、かなり古いものだとわかる。
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