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実家に到着した次の日、何もすることがないので、祖母の自転車を借りて、海へ向かった。
海まで向かう間、誰ともすれ違わなかった。
いくつかの民家を通り過ぎたが、人の気配はなく、まるで無人の町に迷いこんだようだ。
海につく頃には、Tシャツがへばりつくほど、汗をかいていた。
お茶を半分一気に体に流し込み、堤防で一息つく。
姉は2年前に交通事故にあい、この世を去った。
勉強もスポーツもでき、明るく聡明な姉は、みんなの憧れであり、家族の期待を一身に背負っていた。
『なんで僕じゃないんだろう』
何度も考えた。
なぜみんなから必要とされる姉が死んで、何の取り柄もない自分が生きているのだろう。
答えのない問いは、青い夏の空へと吸い込まれていった。
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