あの夏

2/17
前へ
/19ページ
次へ
キャンプを主催する団体の事務所に通ってレクチャーを受けた。 子供たちは5~6人でひとつのグループになる。それぞれのグループにボランティアのリーダーが一人。私と雫は初体験ということもあって、グループリーダーたちをトータルにサポートするアシスタントリーダーというのになる。 「非常に申し訳ないんだが」 団体の代表サトさんが本当に申し訳なさそうに言ってきた。 「青木さん、男子チームでもいいかな?」 普通、女子は女子チームのリーダーなんだけど、男子チームのリーダーの一人が盲腸になって急に参加できなくなったらしい。 「二日目の昼から、ベテランの男子学生がヘルプで来てくれるんだけど、最初からは無理なんだ」 申し訳なさそうなサトさんが気の毒になって、いいですよと返事をしていた。 紹介してくれた先輩に言ったら、 「それは・・・教職とってたよな?それなら生徒には男子もいるんだから、勉強にはなる」 と。言ってることに不安はあるけど、一理はある。私は一人っ子だから、子供との触れ合いを体験するのに男子の方がいいのかもしれないなんて、甘っちょろいことを考えてしまった。 ほんとにアマッチョロだった。     
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加