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離島に向かう船の中で、私の周りには8歳~10歳のオマセ女子たちが集っている。
「ねえカナタくん、彼女おる?」
オマセの代表が話しかけてくる。
「いないよ」
なんとなくわかって答えた。
身長167センチ、ひょろりとした体格、ショートカットにバンT。多分よくある勘違いをしている。おもしろいから勘違いにノッてみる。
「えぇ~、大学生やのにあかんやん。雫ちゃんにしとき、めっちゃかわいいやん!」
「うん、かわいいなあ」
オマセちゃんには水着になるまで黙っていよう。
島について、水着になった私の耳元でオマセちゃんは
「嘘つき」
と囁いた。10歳にしてその色っぽさ、分けてほしいと思いながら男子チームへ行く。
「カナター、オンナやったんか!」
9歳男子に言われた。
海を前に水着に着替えた男子たちは元気だ。グループリーダーの指示に最初だけ従い、海に飛び込んでいく。
アシスタントリーダーの役目は、海に入らずに浜から子供たちを見ること。目の前に気持ちよさそうな海があるのに、水着の上にTシャツと短パンで浜をうろうろするのはなかなか拷問チック。太陽は容赦なく照りつける。
「カナタ~!」
叫んだ小3男子にビーチボールを後頭部からぶつけられる。
「カナタ~、一緒に泳ごう」
生まれて初めて海に誘ってくれたのが6歳児になった。
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