あの夏

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◆ 高学年チームがサトさんと数人の男子リーダーとでお風呂をもらいに出かけたあと、低学年チームもお風呂の時間。さすがにここで男子チームと入るわけにはいかないから、お風呂だけは女子チームと入った。 ずっと男子たちといた私は、低学年女子たちのちょっとしたはしゃぎが穏やかに感じる。 女子の入浴が終わったあと、浴場があいたことを男子チームの部屋に伝えにいくと、勢いよくドアが開いて中から素っ裸の塊が飛び出して廊下を走っていった。 最後に出て来た低学年男子チームの二人のリーダーが、なんとなくやつれて感じたのは気のせいかな。 とりあえず女子のリーダーたちと食事の準備をする。 そろそろ高学年チームが帰ってくるので、低学年チームを食堂に集合させる時間。 お風呂を覗くと、脱衣所で一人の男子リーダーが4歳児二人が着替えるのを手伝っている。 「他のみんなは部屋ですか?」 私の質問に 「多分。」 と曖昧に答えた。 彼の髪はまだびしょびしょで、跪いてパンツを履かせる床に雫がたれている。そんな彼の頭をガシっと握りしめて、片足を上げていた4歳児が私に気づく。 「カナター!エッチ!」 叫びながらふらついて、リーダーの髪をグヮシと握って事なきを得た。     
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