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青いラインを踏む、白いソックスを履いた山田君の靴。
いつも正確にラインを踏むのに。きっと彼は、青い色に集中して、空に吸い込まれる覚悟もできているはずなのに。
飛びたい。みんなと同じように。どうして僕だけが飛べないんだろう。
飛べなくても他に取り柄があると言われても、そんな取り柄なんか僕はいらない。僕はただ、飛びたい。みんなが普通にしていることを、僕もできるようになりたいだけなのに。
ピッ。はい、青い線で踏み切ってー。
ピッ。もう一回、はい、青い線だけを見て走ってー。
えんえんと繰り返す特訓の笛の音の中に、飛びたい飛びたいという、山田君の叫びが混じったような気がした。
ふっと隣を見ると、まーちゃんが目をキラキラさせていた。
「山田君、なんかカッコイイな」
まーちゃんは、こっそりと言った。
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