北上航路.2

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「マサト様を守ります」 ギュッってアイリちゃんを抱きしめる、んー可愛い エッチラオッチラ梯子をのぼるとする 甲板は所々穴だらけで壊れた荷物が散乱している 中央のマストにも亀裂が入っており、自力航行は無理そうだ 潮に流される幽霊船である しばらく甲板を見てまわる 甲板は広い、前部と後部の甲板にあがる階段も所々朽ちている 何もない、船室に向かうとする 船室への入り口に手にを掛けた時に悲鳴が聞こえる 女性の綺麗な歌声が船体に流れ始める クンクンするアイリちゃん 船室の通路を指さして「女の子」と呟く 俺には見えない アイリちゃんが俺の手を引いて通路を進む そこらかしこから悲鳴が聞こえてくる カール王子も俺の後ろを付いてくる アイリちゃんが船室の扉の前に立つと扉が自然に開く ベットには小さな女の子の朽ちた体が横たわっていた アイリちゃんがベットの下に落ちていた家族の肖像画を拾う 綺麗に拭いて少女の傍らに置く 両親と3人の男の子とこの少女が書かれている、身分の高そうな服装の家族である 肖像画には金のプレートに”It's a Wonderful Life”と書かれていた 「ジェームズ・ベイリー・ステュアート子爵」 「なるほどこの船はローレライ号か」     
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