北上航路.2

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しかし生き延びた女司祭が子爵に恨みを晴らすべくローレライ号に追ってきた 嵐に翻弄されるローレライ号で惨劇が起る 毒の入った料理を食べて死んだ人々 悪魔の使いが召喚され甲板が赤く染まるほどの殺戮劇 赤いドレスを着た悪魔崇拝の女司祭による悪魔の召喚 赤いドレスの女も悪魔に心臓を捧げたと言う 女司祭の亡霊と悪魔を乗せたローレライ号は今も海をさまよっていると 悪魔に捕らわれた魂たちがローレライ号を動かしているのだとか 一度船に乗ったものは悪魔に魅入られ二度と下りることが出来ないと話してくれた 船内は未だに悲鳴が続いている 女の歌声も聞こえてくる 「マイケルが呼んでます」 アイリちゃんが通路の奥を指さす 新たな能力が覚醒かと思ったが指さす方向を見るとマイケルが手招きしていた マイケルについていくと船底に大穴が開いており海水がなだれ込んでいるのが見える 「ウキキウッキ」 お手上げのポーズを取る 急いで甲板に戻る途中で助けてくれと声が聞こえる そちらに向かう 「助けてくれっ」 「どうした?ケガは?動かせるか?」 カール王子が聞く 「いや、金塊を見つけたんだ」 「重くて運べない、手伝ってくれ」 フェリマンとサントスと呼ばれていた男が木箱の前でへたり込んでる 「この船は沈むよ、そんなもの置いて行きなさい」     
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