北上航路.2

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「あれが何かは分からないですが、上位の魔族の召喚だと思います」 「魔族の召喚は聞いたことがあります、悪魔と呼ぶ人も居るかもしれないです」 ミリアちゃんが答えてくれる 詠唱を止めるべく赤いドレスの女の下に走る船長と船員、しかし武器が届かない 上空から攻撃魔法を叩き付ける魔術師達 カール王子も大技を詠唱中である カール王子魔法に合わせて俺も撃ちこもうと考える 悪魔だの魔族だのにぶちかますなら光だよな 強烈なる光、光の粒子が圧縮されて透明に輝く結晶となるイメージ 内側に光が爆発、輝きの爆発が連鎖する全てを白く塗りつぶし透明になる ”Fiat lux!” 呪文浮かんだが、今までと言葉が違うし短くないか? 「船長、下がれ」 カール王子叫ぶ カール王子が叫ぶと船長と船員がクモの子を散らすように逃げだす 赤いドレスの女を足元から光の槍が貫く、十字に輝く墓標に見える しかし、赤いドレスの女の呪詞は止まらない両腕を広げると胸の傷が開く 心臓が有るべき場所が空洞となっている ”森羅万象の終焉、生命有る者は喜びの声を挙げよ” ”天地万物の流転、魂を持つものは歓喜の歌を捧げよ” 禍々しい闇は2本の大きな角を持つ筋骨隆々の体を持つ何かに変わろうとしている 赤く瞳が輝き、その手が闇を払うかのように動く     
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