北上航路.2

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(”Fiat lux!”) カール王子に遅れたが、禍々しい闇に俺もぶちかます 光の点が闇の中に現れる その時、赤いドレスの女とローレライ号の船体が割れる 海水の刃がマストの先端にまで達している、全長60メートルの船体が真っ二つである 幽霊船は海水に飲まれ沈む様に消えた おれはミリアちゃんとアイリちゃんを両脇に抱え空に浮かぶ カール王子もフライで浮遊しているがまたもや頭から海水をかぶっている 船長と船員は海面に浮かんでいる 全員ポカーンな感じである ミリアちゃんとアイリちゃんを抱えてニーニャ号の甲板に降りる 甲板には杖を掲げて仁王立ち、ドヤ顔の青い髪の女の姿がある 傍らにはいつの間にかマイケルが居た 「うふふ、見てくれたかしら?」 「凄いでしょ?わ・た・し」 「水魔法なら他に引けを取ることはないわよ」 「惚れ直してくれたかしら?」 「ご褒美が有っても良いと思わない?」 「うふふ」 「うふふ」 俺に抱き着き人差し指をクリクリしてくる アリサさんは古い、何かにつけても古い 何処で覚えてくるんだかである 船員達が救助活動中である 護衛の魔術師達も海に飲まれた船員を引き上げている カール王子も甲板に降り立ち状況を確認している     
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