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エージェント。
それは、昔、世界に存在したエキスパート集団。
諜報、格闘、判断力、精神力。その全てに適正を認められた、"A"を与えられるもの。
しかしして、世界は有限であり、金も、武器も、全ては物体でできている限り、消耗と消費は止まらない。情報という武器が発達しても、なお。いや、むしろ情報が発達したことにより、消耗は途端に激しくなったといえよう。
与えられるものはなくなり、着の身着のままも機能しなくなり、真に力なきものは次々と脱落し、それでもエージェントは生きて帰ろうと、必死に、懸命に、方法を探っていた。
かのものは、手記にこう記している。
「与えられた知能は、運命に抗うに及ばず」
しかし、運命はまだ選択の余地を残していた。古代に残されていた、と言うべきか言わざるべきか、かの冥界より帰還した王は、外の世界の文明をその身に宿し、眠りについたことにより、魔術文明が発掘されたのである。
それこそが、物質世界に代替えされる新しい生きる術である。
それが情報として伝わるや否や、エージェント達はこぞって、自分らこそが生き残らんとして、積極的に魔術を取り入れた。
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