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翌朝、俺は駅でセンセイを待っていた。
朝から動くのは、映画の日程もそうだが、人がなるべく少ない時間帯を選んだ結果だ。
俺はコンビニで、朝飯のおにぎりと飲み物を買って、センセイも何か飲むだろうと、以前、職員室の机に置かれていた午後ティーを買った。
「おはよう。今日は早起きだね」
「お、おはようございます…」
5分後、やけにゴツい車が目の前に停まったと思ったら、中には天使がいて手を振っていた。
「センセイ、ラン○ル乗ってるんですね…」
「あれ?見たことない?お父さんが譲ってくれたんだよ。可愛いから気に入ってる」
ああ…『可愛い』って認識なんだ。なるほど…。
「ささっ乗って!誰かに見られちゃうかもよ」
「あ、はい!お…お邪魔します」
俺は助手席側に回り、さすがにそこには乗れないので、後ろに乗り込む。センセイを斜め前に見る形だ。なんかいい匂いがする…。センセイの匂いってこれだったんだな。
センセイはいつもは降ろしている髪を後ろで結んでいる。うなじが色っぽい…。
「ごめんね~急いで来たから何も買ってないの。行きにコンビニ寄ろうか?」
「あ、そこで買いましたよ。はい、これセンセイの」
「きゃっ」
そのうなじに午後ティーを当ててみた。
めちゃくちゃ可愛い声いただきました。
「もうっ!動いてなかったからいいけど、次やったら降ろすからね!」
「あはは。すいません。早く行きましょ行きましょ」
「そういうとこ子供っぽい…。あ、これありがとう」
調子に乗ってしまった。反省。
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