16.奇跡の一日

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翌朝、俺は駅でセンセイを待っていた。 朝から動くのは、映画の日程もそうだが、人がなるべく少ない時間帯を選んだ結果だ。 俺はコンビニで、朝飯のおにぎりと飲み物を買って、センセイも何か飲むだろうと、以前、職員室の机に置かれていた午後ティーを買った。 「おはよう。今日は早起きだね」 「お、おはようございます…」 5分後、やけにゴツい車が目の前に停まったと思ったら、中には天使がいて手を振っていた。 「センセイ、ラン○ル乗ってるんですね…」 「あれ?見たことない?お父さんが譲ってくれたんだよ。可愛いから気に入ってる」 ああ…『可愛い』って認識なんだ。なるほど…。 「ささっ乗って!誰かに見られちゃうかもよ」 「あ、はい!お…お邪魔します」 俺は助手席側に回り、さすがにそこには乗れないので、後ろに乗り込む。センセイを斜め前に見る形だ。なんかいい匂いがする…。センセイの匂いってこれだったんだな。 センセイはいつもは降ろしている髪を後ろで結んでいる。うなじが色っぽい…。 「ごめんね~急いで来たから何も買ってないの。行きにコンビニ寄ろうか?」 「あ、そこで買いましたよ。はい、これセンセイの」 「きゃっ」 そのうなじに午後ティーを当ててみた。 めちゃくちゃ可愛い声いただきました。 「もうっ!動いてなかったからいいけど、次やったら降ろすからね!」 「あはは。すいません。早く行きましょ行きましょ」 「そういうとこ子供っぽい…。あ、これありがとう」 調子に乗ってしまった。反省。
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