16.奇跡の一日

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映画館のホールに入ると、パラパラと人がいて、受付は少し順番待ちをしていた。 「あ、俺がチケット取る間に、飲み物とか買っておいてもらえます?」 「いいけど…。あ、でも見て?チケットあればドリンクとポップコーンセットが200円引きだって!」 「うおっマジか!じゃあ、一緒に並びましょうか」 俺はセンセイを前に立たせて、列に並んだ。距離が近くてドキドキする…。うなじ、小さな肩、細い背中。どれもこれも俺の中のナニかを刺激する…。 映画の予告が始まった。 俺たちが観る、戦国騒乱ザ・ムービーは、そんなに人がいなかった。なんで?不人気?アニメ映画だから?タイトルが安易?わからん。 その代わり列の中盤、ど真ん中の席をゲットした。 個人的には特等席だ。 コーラとポップコーン(キャラメル味)をセッツ!して、スクリーンを2人で観ていた。 映画は、予告編からが映画だ。忘れるなよ? まあ、それはどーでもいいとして。ホラー系の予告が流れて、センセイが俺のシャツの袖を掴んできた時は、ゾンビに感謝した。 センセイとお化け屋敷行きたい。 そして、いよいよ本編が始まる。
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