16.奇跡の一日

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「今度の土曜日も?うーん…ごめんね。その日予定あるんだ」 夏休み最後の土曜日は、ダメでした。 じゃ、じゃあ次の日は!? 「…ごめんねコウキくん。もしかすると、もうこうやって会えなくなるかも」 「え…」 ショックで手に持っていたスマホを落とした。 そして、沈黙が車内を包む…。 きっと俺は今、この世の終わりのような顔をしてるだろうな。 でもこれが当たり前なんだ。 センセイは先生で、 俺はただの生徒の1人。 今日は、奇跡みたいな一日なんだ。 するとセンセイの方から、 「少し、ドライブしようか。夜ご飯、コンビニとかでもいい?」 と言ってくれた。 この一日を、まだセンセイと一緒にいられるんだ。 俺は、覚悟を決め 「はい」 とだけ返した。 告白するなら、今日しかないと思った。
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