16.奇跡の一日

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「いえ…。お相手の方はどんな?プロフとか見てないんですか?」 「プロフ…?ああ、履歴みたいなこと?見たよ。大企業の課長さんだって。すごいよね。その人まだ29だよ?」 やべぇ…それだけでイケメン臭がプンプンしやがるぜ…。 「写真とかは?まだ?」 「私は見たよ。なんか優しそうな人だった。」 「かっこいい?」 「どうかな?私はそういうのよくわかんないけど、たぶんかっこいい方じゃないかな?」 くそっ!普通以上の顔で、優しそうで、大企業のエリートかよ!確変入ってリーチじゃねぇか!! 「へ…へぇ。よかったっすね…。変な人じゃなさそうだ」 「実際会ってからじゃないとわかんないよ。あ、でも私の場合、会って話しても変わらないかもね」 長岡のクソハゲのことか。 「そんなことないですって。そっか…」 「いろいろ誘ってくれてありがとう。楽しくてつい乗せられちゃった」 なんか…。え?本当に最後? 「そ…そうですよー。生徒の誘いに乗るなんて、いけない教師ですね~」 「あはは。そうよ。私はダメな教師。ダメダメだよ」 そんなこと言いたいんじゃない。 「ダメダメて。センセイは頑張ってますって。お見合い、うまくいくといいですね」 "ダメだ。そんなの行くな" 心には別の俺がいて、必死に俺に訴えかけている。
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