16.奇跡の一日

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「うまく…行くんだろね」 「なんすかソレ。もう決定すか?」 たぶん、センセイは自分でも気づいているんだ。 きっと、流されてしまうことを。 俺の嫌な予感が当たっている、ということを。 「もちろん、私にも決める権利はある。そうだよね?」 センセイは、確かめるように、自分に言い聞かせるように言う。 「当たり前ですよ。大丈夫です。さっき言った通り、センセイが断られることはまずないですから。全部、センセイ次第ですよ!」 "断れ" 「うん。ありがと。よし!」 センセイは立ち上がって、手すりに手をかけた。 もう、これで最後…。 言えよ。俺。 「やっぱりここ好きだな。でもなんだろう。コウキくんがいると、また違って見えるね」 やめろよ…。そんな思わせぶりなことを言わないでくれ…。 「はは…。何も変わんないすよ」 言えよ!俺!! 「ううん。話、聞いてくれてありがとう。もし、お見合いがダメになったら、また来ようか」 "俺はセンセイのことが…" 「また、スキを見せすぎないように、気をつけてくださいね」 言え!! 「あはは!そうだね。ちゃんと話をしてくる」 「はい。あ、センセイ?」 「うん?何?」 "好きです" 「頑張ってください」
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