2.花火のあとで

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センパイが指をさした方向には… 長岡と南センセイが歩いていた。 そしてそのまま1つのホテルに入っていく…。 「ね?言った通りじゃん!花火でムード良くなってそのままホテルの王道コースね」 「センセイ…まじかよ…」 何故か足が震えだした。俺は力を込めて手を握り締める…。 「うーーん少年にはちょーーっとツラい光景かな?よし!私たちも入ろう!」 「………」 「ん?少年?」 センパイの言葉には何も返さず、黙って回れ右。そのまま駅の方へ戻ろうとした。 「ちょっと!少年!?」 震える足をなんとか動かしていた。 なんでこんなにイラつく?俺に関係ないじゃないか。センセイが誰とそういうことになっても…。 「少年!!」 何も見てない。そうしよう。 「少年ってば!」 センパイが袖を引っ張ってきた。 「うるさいっす。帰るっすよ…。タクシー代、俺が出しますから…」 「なんか様子が変だよ!南先生だけ出てきたの!」 「え?」 振り返ると、慌てた様子のセンセイがこっちに向かって来ている。 少し小走りになってる? 「おや~?これはいざ入ったら理性が勝っちゃったパターンかな!?」 センパイと2人して路地に隠れてその様子を見ていた。 あ、長岡も出てきた。それも物凄い勢いだ。 「あ、ちょっとあれ、なんかまずくない?」 慌ててセンセイに追いついた長岡は、何やら叫んでいる。やがて言い争う声がこっちまで聞こえてきた。 『そんなつもりじゃなかったんです。今日はもう帰ります!ごめんなさい!』 『大丈夫だから!少し疲れたから休んで行くだけだよ!ね?少しだけだから!』 そう言ってセンセイの腕を掴むハゲおやじ。 「うわ~ベタなセリフでホテルに連れ込もうとしてるぅ…。あれ止めなくて大丈夫かな?」 「………」 「ね?少年??って何してるの?」 俺はスマホをポケットにしまった。 もう限界だ。あのくそ野郎。
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