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「おっはよー」
「おはよー」
久々の教室は賑わっていた。
肌が焼けている奴らも何人かいる。
部活や補修のない生徒にすれば、俺と同じように久しぶりの登校だ。どこに遊びに行った、どんなことがあったかで話が弾んでいるようだった。
「おはよー前川くん」
隣の女子が話かけてきた。
「おはよ」
「なんか元気ないね?バイト疲れ?」
「まぁそんなとこ」
それだけじゃないんだけどな。今更ながら休めばよかったと後悔していた。
「そういえば祭りで会わなかったね?探したんだけどなー」
「あー結局行けなかったんだよ。急遽バイト出てって言われてさ」
「そうなんだ。大変だねぇ」
嘘は言ってない。急遽じゃないけどバイトしてたのも本当だし、”祭りには”行っていない。
「でも楽しかったよ。ねぇ?高橋くん」
「え?」
左隣の高橋を見ると、思いっきりニヤケ顔をしている。
まさかこいつ…。つか、いつからいた?
ガラガラガラ…
あ、センセイが入ってきた。一瞬目があった気がしたけど、何事もなかったように出席を取り出した。
「前川くん」
「…はい」
「松本くん」
「うぃーっす」
俺の点呼の時も、別に他と変わらない。俺の気にしすぎか?あの日のことはなかったことになってんのかな?
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