3.登校日

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「お相手の女性は知り合いですか?奥様ではないようですが…」 「い…いや…それは」 あ、まずいな…。俺のしたことはもうお咎めなしみたいだけど、センセイのことは遅かれ早かれバレそうだ。 どうしたらごまかせる…?ダメだ。何も浮かばねぇ…。 ガララララ… 「私です」 急にドアが開いて、男3人は声がした方を見た。 「センセイ…?」 南センセイが立っていた。もしかしてずっと聞き耳たてていた? 「え…えっと南先生?」 軍曹も驚いた顔をしている。 「実は数週間前から長岡先生には仕事の相談をしてもらってました。でも先生には奥様もお子さんもいます。だから”そういうこと”はお断りしていたんですが…」 強ぇぇな…センセイは…。 凛とした覚悟をした目で、軍曹に事の経緯を説明している。バカ岡は観念したのか、黙ってセンセイの話を聞いていた。 「あと前川くん」 「ん?はい」 「あの時はありがとうございました」 「え…いえ」 ぼーっとセンセイのことを見ていたら、急にこっちに体を向けて頭を下げた。 「あとごめんなさい。本来なら事情を武藤先生なりに報告して、真っ先にキミにお礼を言わないといけなかったのに、逆に迷惑をかけてしまって…。教師失格だよね…?本当にごめんなさい」 「え!?いいっすよ!!全然気にしないでください!!」 「ごめんなさい…」 センセイは頭を下げたまま起こさなくなってしまった。 しばらくその場が静まりかえっていたが、軍曹が 「あとは3人で話合う。よく南先生を助けてくれたな。でも次からは通報するなり、誰かに助けを求めるなりしろよ?」 「うす」 「今日は悪かった。また休み明け会おう」 そう言って俺は解放された。センセイは最後まで頭を下げたままだった。
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