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「…ってことでした」
「うわーそれは災難だったね」
翌日、いつものバイト休憩中に、「昨日大丈夫だった?」とセンパイが声をかけてくれた。登校日のことをずっと気にしてくれていたようで、その場に一緒にいたこともあって、詳しい経緯を一通り説明した。
「しっかし長岡ざまぁww南ちゃんもその状況でよく名乗り出たね。偉い偉い」
「俺的には、センセイのことは黙っておこうってなんとなく思ってたんですけどね。でも俺が思う以上にセンセイは強い人だったみたいです」
「そりゃ騎士さまからすれば、お姫さまがこれ以上傷つかないようにしたいもんね…」
「何すかそれ…。騎士さまって…」
「だってそーじゃん!あの時の少年は、まさにお姫さまを助ける騎士さまだったよ!しかもしれっと写真を撮っていた抜け目なさといい、助けた後の対応といい…くぅぅ~~」
センパイは俺の肩をバンバンと叩きながら1人盛り上がっている。
「でも本当にあの時はすごかったよ!少年、ちょっと恐かったもん」
「キレてたのは間違いないっすけど、なぜか頭は冷静だったんすよね」
「そうだよねぇ…。じゃないと咄嗟にスマホなんか取り出さないよ」
「殺意を覚えましたけどね」
「いいな~私もそれぐらい想われたい…」
ん?なんかそれ…
「いやいや、その言い方だと俺がセンセイのこと…」
「へ?好きじゃないの?」
「なんでそーなるすか」
そんなわけないだろ…。相手は先生だぞ?
「だってあのキレ方、まるで恋敵に彼女を取られたような感じだったし…」
「自分が知ってる人があんな目にあってたらそりゃ…てかセンパイでも同じことしてましたよ」
「本当!?じゃあホテル行こう!!」
「あ、でもセンパイなら1人でなんとかしそうですけど」
「何それー!!!」
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