社長

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この頃はまだ相棒にも満たない、ただの仲間だったな。でもな、俺に置いて行かれないように必死なヒラを見てたらほっとけ無くてな。こいつの為に、この世界でまた天下を取ろうと密かに誓ったんだよ。 フラフラしてる奴を見かけたら、俺に着いてこいと声をかけて大所帯になっていったな。 その後は提携先と上手くやって、順調な日々だったな。下っ端達はどうしようもないのが多かったから、提携先に頼んだりしたもんだ。 いなくなったら新しい下っ端を探しての繰り返しだ。 ヒラはもう俺の右腕になっていたから、提携先に引っ張られないように、俺のそばにいろ!みたいな事を言ったんだったかな?おかげでお互いの本名すら思い出せないくらい、長い間一緒にいるよ。 そんなある日、秘書を見かけたんだよな。俺たちのよく行く場所の近くにいつもいたんだが、いつ見ても泣いてるんだよ。 しくしく、なんてかわいいもんじゃない。お前は生まれたての赤ん坊かってくらい、声を出して泣いてるんだよ。 最近の若者、しかも女だ。しばらくは見て見ぬ振りをしていたんだ。でも毎日毎日毎日毎日……うわんうわん泣いてるもんだから、とりあえずこっちに来いと呼んだんだ。
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