魔族の寵愛

2/14
607人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「あ…、ダメっ、です…」 「どうした?」 胸の小さな粒を舌で押しつぶされて、ラファエルは喉を反らした。 絹ような細い銀の髪がさらりと揺れてシーツの海に波を作る。 蒼い瞳は潤んでいて、今にも涙がこぼれ落ちそうになっている。 一見すると少女にしか見えないほど美しい少年だ。 広いベッドの上で、ラファエルは男に弄ばれていた。 何度も舌で捏ねられ、とがった爪で引っかかれた小さな乳首はすっかり熟れて濡れそぼり、きれいな薄紅色に染まっている。 白い肌のなかで、そこだけが色づいてとても扇情的だった。 「やぁ、…っ、は、あ……、あっ、あん」 「いやらしい声だな」 笑いを含んだ声で揶揄されて、ラファエルの頬が真っ赤になった。 でも相手に抗議することなく、ただ黙って唇を噛んで辱めに耐える。 ベッドの上でラファエルの夜着をはだけている男は、人ではなかった。 驚くほど美しい貌をしているが、尖った耳に真っ赤な光彩を持つその姿は魔族だと一目でわかる。夜の闇より暗い長い黒髪が、月光を受けて深藍色に染まって見えた。 週に何度かこの美しい魔族がラファエルの元を訪れるようになって、すでに3カ月ほどが経っている。 その間にラファエルの体は魔族によって蹂躙されることにすっかり慣らされて、とても淫らに反応するようになってしまった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!