魔族の寵愛

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「ほら、もう弾けそうになっている…」 足の間に手を差し入れて、魔族が口元に笑みを作る。 禍々しいのに美しく、酷薄そうな冷たい微笑み。 「嫌です、触らないで」 鋭い快楽と痛みを与えられ、ラファエルはいっそう頬を染めて涙をこぼした。 そんな泣き顔ですら、魔族を悦ばせるだけだ。 「嫌々ばかりだな。ここは悦んでいるのに?」 「言わないで、ください…」 自分がどんなことになっているか、よくわかっている。でもそれを指摘されるのは、本来潔癖なラファエルには耐えがたいことだった。 「どうして? こんなに淫らで美しいのに、何を恥じる?」 魔族はラファエルの昂りを手の中に包みこみ、愛おしむように撫でさする。途端に背筋を快感が駆け抜けて、ラファエルは思わず腰を揺らしてしまう。 「あ、あ…っ」 大天使の名を持つラファエルは今や堕天使といっていい姿で白く細い体をくねらせて、それでも魔族の与える快楽に堕ちるまいと必死に首を振った。 もちろんそんな抵抗はするだけ無駄で、いつも最後には自分からねだってしまい、彼のいいようにされてしまうのだ。
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