第2章

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 彼の前で無防備な身体を見せつける。そんなに大きくはないけど、この数年で膨らんだ胸で希理を誘う。女の身体になったぼくが、出会ったばかりの男の子にこんな破廉恥な罠を仕掛けるなんて…と、自分でもどこか呆れたりもしたけど。  希理から触れて欲しくて、ソファーに凭れたぼくは、大胆になる。  ぼくが、女の子だと気付いてくれるだろうか?  一分後。彼はそっと手を乗せてきた。ゾクゾクと快感が走る。温かい掌がぼくの胸を包んでいる。少しずつ握りしめてくる手が、まだ迷っているのだとわかるから。もっと、もっと…。  欲情が隠しきれずに乳首に血と神経が集まってくる。琥珀がよく言っていた「お前が一番エロくて可愛い」というセリフが過った途端、ゾワゾワと全身が敏感になっていくのを感じた。刺激が欲しい。なのに希理は、手を放そうとしたからぼくはすぐに彼を掴まえた。そして彼の顔を見た。  驚きで見開かれた黒い瞳。ほんのわずかでも希理はこのぼくに欲情しているのだとはっきりと感じる目。もう、我慢できない。  自分がされたことを彼にする。今一番触れられたいところに触れていく。彼の乳首はすごく小さかった。琥珀のよりもずっと小さくて……可愛い。 「男の胸って、女の胸とはなんか違うな」 「初対面なのに、こんなことしておかしいだろ?」   希理が赤くなりがらも抵抗せずにいるのに、恥ずかしがっている。そんな顔されたらもっと虐めたくなる。 「あんたが、それ言うの?」  希理から触ってきたという既成事実で、彼を落としてやろう。
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