第2章

11/11
前へ
/38ページ
次へ
 私達はお互いの服を脱がせ、自分の意思で脚を開いた。そこに希理が身体を滑り込ませて抱き合う。そこからの展開は、私の想像を遥かに超えていた。経験値がないと言っていた筈の希理は優しくて逞しくて、それでいて力強くてセクシーだった。  手術したそこが男の目から見たらどうなのか、希理の反応から感じ取ろうとしたけれど、無駄だった。どんどん思考が停止していく。触れられる場所が全部、気持ち良すぎて恥ずかしい声を上げる。自分の意思で止めることが出来ないほど、刺激は確実に私を女の快楽へと導いた。覚悟していた瓜破の痛みなんて無くて、違和感なく受け入れた希理が繰り出す波に乗って、ぐんぐん高見へと昇っていく。  舌も唇も素肌も、髪も体液も小さな指先の動きも、抵抗なく刷り込まれていく。空腹より、睡魔より、希理が欲しくて仕方がなくて、私達は信じられないぐらい長い時間、時々小休止を挟みながらも夢中で愛し合った。お互い完全にひとつになる感覚に包まれて、絶え間なく押し寄せる愛に溺れる幸せ。希理は純粋で無垢なままに私を喜ばせ、昂らせ、同じタイミングで果てるを繰り返した。まるで、私を愛するために生まれてきたような男。それが、希理との出会い。  高級そうなソファーで繰り返し激しく愛し合った後、私は朝日の光の中で目覚め、世界の美しさに感動していた。まだ眠っている彼を起こさずに、ここを出て新しい人生を歩もうと決意した私は、彼にそっと口づけをしてから家に帰った。  今度会う時は、ちゃんとした大人になっていよう。そう決めたから。そして、もしも本当に運命の人なら、きっとまた会える。私は賭けに出た。  その一年後に彼と再会するまでの間。私は心理学にのめり込んで行った―――。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

137人が本棚に入れています
本棚に追加